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33歳になりました。最近は『小説家になろう』や『ハーメルン』、ツイッターくらいでしか活動できていませんね(滝汗)。
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ワールドブレイカー プロローグ1

 プロローグ 少年はまだユメの中


 それは、ある夏の日の光景。
 一人の少女が幼い少年に話をしている。それ以上でもそれ以下でもないはずの、そんな、ある日の出来事。

少女「――ユメの中を生きる時間はもう終わり。
 三年にも満たない短い日々だったけど、有意義で、私にとっては文字通り『夢のような』毎日だったわ。
 本当に、過ぎ去っていく時間がすべて、キラキラと輝いて見えた。
 こんな日がずっと続けばいいのにって、何度も思った。

 でも、それは願っても叶わないこと。
 だから私は大人しく、このユメから覚めて現実に戻ることにした。

 いつか、このユメの続きを見るために。
 私と同じような思いをする人を、この世から失くすために。
 なによりも、『この世すべての善』を成すために。

 和樹(かずき)、いまのあなたには、私の言っていることがわからないかもしれない。
 頭のおかしい女子高生の戯れ言に感じられるかもしれない。
 でも、いつかわかるときがくる。

 この世にはたくさんの悪意があって。
 その悪意から大切な人を守りたいって思うのなら。
 そのために、敢えて大切な人を切り捨てて、現実に立ち向かわなければならないときもあるっていうことが。

 だから、和樹。
 ごめんなさい。
 自己満足にしかならないのはわかっているけれど、これだけは言わせて。ごめんなさい、と。

 あなたから距離を置くことでしかあなたを守れないお姉ちゃんで、ごめんなさい。
 私の過酷な現実を、一緒に背負ってもらわなければならない、そんな駄目なお姉ちゃんで、ごめんなさい。
 過酷な現実に向き合わなければならないあなたを、そばで支えてあげられないお姉ちゃんで、ごめんなさい。
 なによりも、あなたを不幸にすると知っていて、それでもこうせずにはいられないお姉ちゃんで、本当にごめんなさい」

和樹「……ひーねぇ?」

 『ひーねぇ』と呼ばれた少女――河野瞳(こうの ひとみ)は、首を傾げる少年の額に右手を当てて、

瞳「こんな駄目なお姉ちゃんだけど、和樹がたくましく成長した暁には、きっと私を守ってね。
 この世界にある、あらゆる悪意と理不尽から、お姉ちゃんを助けてね。
 初めて出会った日から今日まで、私が和樹に色々なことを教えてあげてきたみたいに」

 額から感じるのは、瞳の温もり。あたたかさ。しかし、覚えたのはそれだけではなく。
 ぞわりとした感覚が和樹を襲う。不安に駆られて、和樹は瞳の顔に目をやった。
 そして、見た。
 彼女の綺麗な両の頬。

瞳「ずっとずっと、お姉ちゃんは待ってるから。過酷な現実の中で頑張りながら、待ってるから――」

 そこは確かに、静かな涙で濡れていた――。






?「――さん! 兄さん、いい加減起きなさい!」

 あの日の夢を見た。遠くて近い、なつかしいゆめ。
 当時の頃の自分は無邪気なだけの子供だったな、なんて思いながら、瀬川和樹は横たわっていた身を起こす。

 いまは西暦にして二〇〇三年。季節は秋。あれからもう三年近く経っているということに軽く驚く。
 あの日のことは、つい昨日のことのように思いだせるくらい、鮮明に記憶に残っているというのに。

?「起きないと昼休み終わっちゃうでしょ! 早く――」

和樹「いや、もう起きてるだろ。というか、とっくに起きてた」

 とっくに、は嘘だが、妹の性格なら反論はしてこないと踏んで、和樹はそう返した。
 その読みに外れはなく、今年で十四歳になった少女――瀬川優菜(せがわ ゆうな)は「くぅ……」とうなったきり黙り込む。
 しかし、一緒に屋上に来ていたもう片方の少年――桜井光一(さくらい こういち)は違った。

光一「嘘つけ。あんな安らかな表情で狸寝入りなんかできてたまるか。反論があるなら、もう一度寝たフリしてみせろ」

和樹「ふふん、いいだろう。――ぐがー、ぐがー」

 リクエストに応えて、狸寝入りを始めてみせる。が、

優菜「さっきは『ぐがー、ぐがー』なんて言ってなかった!」

 今度は和樹が「むぅ」とうなる番。それを見て優菜と光一が軽やかにハイタッチを交わす。
 和樹は優菜に強く、光一は和樹に強く、そして優菜は光一に強い。三人の間には、基本、そんなジャンケンのような関係性ができていた。

 ちなみに、『兄さん』だ『妹』だとはいっても、彼らに血のつながりはない。
 光一も交えて一緒の家で暮らしてはいるものの、光一と和樹、光一と優菜にも血のつながりは存在しない。

 というか、そもそも光一は苗字からして『瀬川』ではない。
 それでも優菜と同い年である彼は、和樹にとって弟分であるといえた。……基本、光一は和樹に同年齢であるかのように接してくるが。
 つけ加えるなら、和樹は今年で十五歳の高校一年生(童顔であるため、初対面の相手には中学生だと思われてばかりだが)、残る二人は中学三年生である。
 しかし、この学校は小学校から大学までの一貫した教育を行おうとしているエスカレーター校であるため、こういう中等部と高等部の人間が学内で一同に会している光景も珍しくはなかった。

 このあとは午後の授業を受けて、一緒に下校。
 帰りにスーパーによって今日の食事当番の一存によって夕飯のメニューが決められる。
 今日の当番は優菜だから、スーパーに行く前に空き地に寄って、明日の当番を決めるために光一と竹刀を合わせることにもなるだろう。
 まあ、料理を作るのは好きなので、自分から当番を買って出てやってもいいのだけれど。

 両親は基本、あまり家にはいなかった。
 会社の重役だがなんだか、とにかく偉い立場にいることだけは確からしく、生活費には困っていない。

 だが、それでも顔を合わせるのが年に数回だけというのはいかがなものかと思う。
 あと、そろそろ年頃になってきた自分たちを一つ屋根の下に住まわせて、半分放置していることもどうかと思う。
 もしも間違いとかが起こったらどうするつもりなのか。

 自分と優菜のことはいい。優菜は和樹にとって『血が繋がっていなくとも妹』だ。そういう対象として見るなんてあり得ない。
 まあ、以前、光一に『それを言うなら、普通は『妹だけど血は繋がっていない。だから意識するなというのは無理がある』だろ』と言われたことがあるが、それはそれ。

 大体、問題はそれを言った光一のほうにこそあるのだ。
 軽いお茶目と言って優菜の着替えを覗いたり、風呂に入ってるところを覗いたり。
 その度に優菜から鉄拳制裁されているというのに、まるで懲りる気配がない。
 優菜も優菜で光一のことは憎からず思っている節が感じられるし。

 それに、一度だけ真剣な表情で尋ねられたこともある。『お前は優菜のこと、本当になんとも思っていないのか?』と。
 和樹は先ほど挙げたように『血が繋がっていなくとも~』と返したが、本当にそういった対象として認識したことがないのかと問われれば嘘になる、のかもしれない。

 そもそも、優菜が瀬川家にやって来たのは、和樹が十二歳、優菜が十一歳のときのことだ。
 つまり、中一と小六。自意識というものはすでに確立されており、本当の兄妹と同じように接するのは無理があった。
 それが『ある一件』を境に、徐々にではあるがぎこちなさがなくなっていき、こうして『兄妹』として普通に接することができるようにはなったが、それでもぎこちなさがあった頃に彼女に対して特別な感情を抱いていた可能性は否めない。

 まあ、そのことを考えると、なぜか胸がズキリと痛むので、基本、すぐに考えることをやめている、というのが過去を曖昧にしている最大の原因なのかもしれないが。

 一方、光一が瀬川家にやって来たのは、和樹が十三歳のときの夏のことだ。
 といっても、養女となった優菜とは違い、彼の場合は居候として入ってきた。苗字が和樹たちと違うのはそのためだ。
 また、当時の光一はいまの彼からは想像もできないほど内向的で暗い少年だった。
 明るい優菜からいい影響を受けたのか、それとも根本的には同類である和樹からなにかを学んだのか(おそらくは前者だ)、いまではとても活発で明るい少年になってくれたが。

 趣味は三人揃って『竹刀を振ること』。
 剣道ではなく、竹刀を振ることというのがポイントだ。
 ルール無用の草試合を好むのである。

 和樹はそれ以外にも読書とゲーム、それとピアノを弾くこと(瞳に教えてもらった)や料理(これも瞳に教わった)を好み、優菜は料理と洗濯、掃除を好んでいる。
 それと、近所の子供と遊ぶのも好きらしい。特に、小学校低学年くらいの子供はちょっとばかり生意気で、そこが可愛いとのことだ。
 で、残った光一は読書(ただしマンガとライトノベルに限る)とアウトドアでの遊びを好む。ルール無用の草試合に参加するのは、その延長線上のことだ。

 いまは和樹と光一の腕は和樹のほうが少しばかり上。
 しかし、ちょっとした油断と慢心からあっさりと抜かれてしまいかねないというのが現状だ。
 しっかり精進しなくては光一が料理当番から永遠に外れてしまう。
 いや、しかし瀬川家で一番剣が強いのは誰あろう優菜である。ならば自分が抜かれても当分は大丈夫なのかもしれない。
 そんなくだらないことを考えながら、和樹は二人と別れて自分の教室を目指して歩きだすのだった。




 その人物は、空き地で光一と竹刀を交え、和樹が辛うじて勝利を掴み取ったと同時に現れた。

?「よかった。ようやく見つけました。瀬川和樹さんですね。瀬川和樹さんですよね。突然のことで申し訳ありませんが、あなたの魂を回収し、天上界へ強制送還させていただきます。
 あ、私はスペリオル聖教会より遣わされた死神、神原(かんばら)まどかと申します。ほんの数分程度の付き合いにしかならないとは思いますが、どうかお見知りおきを」

 大真面目な表情で、なにを気が触れたようなことを言っているのだろう、と訝(いぶか)る暇(いとま)もあらばこそ。
 神原まどかと名乗った見た目十六歳くらいの死神少女は、なにもない虚空にいきなり大きな鎌を出現させ、それを構えながら和樹に向かって突進してきた。
 速度はそれほどでもなく、必殺の威力も意思も感じられなかったが、草試合後で著しく疲労していたのが災いした。
 辛うじて避けることには成功したものの、もう一度その鎌を振り下ろされれば、間違いなくこの命は刈り取られる。

和樹「……っ! 死神とか言ってたけど! なんでいきなり僕が殺されなくちゃいけないんだ!」

 同じ死ぬのなら理由だけでも知っておきたい。
 そんな冷静な思考が出来ていたわけではなかったが、和樹は気づけばそんな言葉を口にしていた。

まどか「失礼な方ですね。これは殺人ではなく魂の回収です。……まあ、端からは同じに見えるでしょうけど。
 で、あなたの魂を回収する理由は、あなたの中にあるもうひとつの魂、『黒き魂』にあります。
 率直に言って、自覚もなくそれを持っている人間がいるということ――というか、使いこなせない強い力を持ってしまっていること、それ自体が聖教会の人間からしてみれば問題なんですよ。
 いつ『黒き魂』に覚醒して事件を起こすかわからないので。というわけです、ここで私に大人しくやられちゃってください。
 大丈夫、死後のフォローはちゃんとしますから。冥土に迷ったりなんて絶対にさせません」

和樹「そ、それなら! その『黒き魂』とかいうのだけを回収して持っていけばいいだろ! 僕に自覚がないっていうのなら、回収されても身体や精神に影響が出たりってこともないだろうし!」

まどか「あー、いえいえ、そうしたいのは山々なのですが、『黒き魂』は通常、保有者の魂と『つながり』が出来てしまっているので、『黒き魂』だけを回収するとかって出来ないんですよ。
 おまけにこのまま生きていても『黒き魂』に目覚めて、最後には『呑まれ』ることになるかもしれません。それはそれはしんどい人生になることでしょう。
 なので、ここでサクッと私にやられちゃったほうが楽ってものですよ?」

光一「なに言ってんだ! この人殺し!」

まどか「またまた失礼な。私は死神ですよ? 『神』ってついてるんですよ? これでも立派な『神霊(しんれい)』なんですよ?
 ……まあ、神霊の中では最下級なんですけど」

 ため息を突いたまどかの殺気が緩む。その隙を逃さずに、

優菜「走って、兄さん! こっち!!」

 優菜と光一の助けを受け、和樹はまどかから逃げることに成功した。――もっとも、

まどか「……あ、ただの人間三人と思って油断しちゃってましたか。相手は仮にも『黒き魂』の保有者。やっぱり舐めてかかっちゃ駄目なんですねぇ」

 のんびりとぼやくまどかから逃げきれたというだけで、問題はなにひとつ解決していないわけなのだが。
by ru-raa | 2013-03-06 19:24 | 創作:衝動 | Comments(5)
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