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『DDD』第一話『J the E』読了!

……はい。全四話中、一話しか読んでいないのに感想を書くなって感じですよね。でも投げずにつき合っていただけると幸いです。

さて、そんなわけで読みました、『DDD』の第一話。
や、シキさんの言っていたとおり、叙述トリックがすごかったです。……いや、微妙に違うかもしれません。『先輩』という呼称を軸とする叙述トリックは、割と誰でも思いつけそうなのですが、なんというか、その構成がすごかったです。
『了』のあとにオチを描くなどといった、時系列の錯綜はもはや、奈須きのこお得意の『技』ですね。奈須きのこ節、万歳。

物語や世界観には、『空の境界』などとの明確な繋がりこそありませんが、根底に流れているものは共通していました。敢えて挙げるなら、それは『救い』と『救いのない現実』の両立。

これはもちろん『空の境界』にも言えることなのですが、ハッピーエンドを迎えているようで残酷な現実が突きつけられており、けれど、どうしようもないほどに救いのない状況に陥っているはずなのに、そこに確かな希望が示されていたりと、とにかくハッピーエンドとバッドエンドが同じ物語のラストに同居しているのですよね。

『空の境界』で例を挙げるのなら、『式』と幹也が共に歩んでいく、というハッピーエンドと、幹也が一目惚れした『両儀 式』と彼はもう二度と話すことができないというバッドエンド。

『DDD』の第一話で例を挙げるのなら、死んだと思われていたツラヌイが生きていたというハッピーエンド(ツラヌイに好感を持っていた僕はこの展開、心底嬉しかったです)と、主人公自身が自分を弱者だと感じているため、悪魔憑きの少女が弱者であることに気づいてあげることはできても、救ってあげることはできない歯がゆさと、ならせめてと憶えていてあげようと思っても、それすらできない自分に対する苛立ちというバッドエンド。

これがひとつの物語の中に同居しているからこそ、読後感がいいのに切なさを覚え、内容によっては悲惨な結末を迎えているはずなのに、『面白かった』と口にして本を閉じることができるんだろうなぁ、と僕は思いました。

昨日、ここまで考えてみてふと思い至ったのが、奈須きのこは元々、選択肢によってハッピーエンドとバッドエンド、どちらでも矛盾なく迎えることのできる類のゲームでシナリオを手がけていた、ということでした。
そう、先に挙げた『救い』と『救いのない現実』は、そういう類のゲームで言うところのハッピーエンドとバッドエンド。本来ならどちらかしか組み込めない結末を、ひとつの物語の中に同居させてしまうという構成は、奈須きのこの発想力が優れているからなのでしょうが、やっぱりそういう類のゲームでシナリオを手がけていたからこそ生まれた発想だったんだろうな、とも思うのです。
そして僕は、奈須きのこの作品のそういうところを一番『面白い』と思っているのですよね。

まあ、長々と書きましたが、言いたいことは結局。

『DDD』、買って正解だった、と。

その一言に集約されるのですよね。
それでは。
by ru-raa | 2009-05-19 14:51 | 感想 | Comments(0)
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