33歳になりました。最近は『小説家になろう』や『ハーメルン』、ツイッターくらいでしか活動できていませんね(滝汗)。
by ru-raa
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カテゴリ:創作:単発物( 11 )

ファミレス『満員御礼』~新人アルバイト面接編~

 十月も終わりに差し掛かってきたある日。
 私ことアイドルは、ホストさんと一緒に休憩室で長机を組み立てていた。

「あ、あの、アイドルさん、指、挟むの怖くないですか……?」

「え? いや、そんなの怖がっていたら始まらないし……」

 思わず嘆息。
 彼――ホストさんは接客時を除けばいつもこんな感じだ。度胸がなくて、口を開けば必ずどもる。
 顔つきは端正で、更に長身と、俗に言う『イケメン』ではあるのだけど、私はどうも彼にそういうイメージを抱けない。

 というのも、私には『イケメン』のことを『イケてるメンズ』や『イケてる面(めん)』ではなく、『イケてる精神(メンタル)』という意味で捉えてるところがあるからだ。
 もちろん外見も大事といえば大事だし、そういった意味のみでなら、彼は『イケメン』にカテゴライズされるのだろう。
 しかし、見た目と精神面を両方見てしまうと、私は彼にどうしても普通――『フツメン』という評価しかできなくなってしまう。

 ここ――ファミリーレストラン『満員御礼』の看板ウエイトレスである私の対となる存在なのだから(最近、こういう言い回しにハマってる。なんか格好よさげで)、彼にももっとこう、看板ウエイターとして格好よくあってほしいところなのだけれど……。

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by ru-raa | 2012-03-12 19:32 | 創作:単発物

酒場にて~彼女の始まりの物語~

 いつの時代も、不老不死の法に挑む者はあとを絶たない。死者蘇生の法に取り組むものも、またしかり。




 フロート公国の首都、その外れにある酒場でのこと。
 昼過ぎから降り始めた豪雨のせいで、その日、酒場には客がまったくといっていいほどいなかった。
 唯一の客は、ついさっき旅先から戻ってきたばかりの青年のみ。

 金の髪に緑の瞳。
 服装は黒のローブに黒いズボンという、黒一色の出で立ちの青年だった。年齢は十九歳。といっても童顔であるため、初見で実際の年齢を当ててもらえたことは皆無に等しい。

 彼――ルアルド・デベロップは酒場の入り口付近で「うへ~、濡れネズミ……」と呟き、黒い長マントをぎゅっと絞る。

「こらこらこらこら。そういうのは外でやれ、外で」

 半ば予想はできていたが、案の定、酒場のマスターから苦情がきた。それに彼は、わざとらしく大声を出してみせる。

「この雨の中、もう一度外に出ろと!? マスター、あんたは鬼か! 大体、お客様は神様です、が信条のはずだろ、この酒場!」

「その信条、でもその前に同じひとりの人間でもあります、と続くのも忘れんな!」

「くうぅ~……!」

「ぐぬぅ~!」

 やや華奢に感じられる青年と、筋骨隆々な男性が睨みあう。ちなみにこの二人、六歳ほど離れているように見えて、実は同い年だというのだから驚きだ。
 と、唸っていた二人が唐突に笑いだす。お互いの顔にあるのは、目の前の相手に対する親しみの情。

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by ru-raa | 2011-02-01 18:13 | 創作:単発物

永遠の証明 side イリスフィール

「――とりあえずは、これでよしっと」

 物質界での仕事をひとつ終え、私――イリスフィール・トリスト・アイセルは第七階層世界に存在する小さな島、『アヴァロン』へと戻ってきていた。
 物質界で動く際に絶対必要とされ、階層世界では活動の妨げとなる『魂の物質化』は、こちら側に帰ってくるまでの間に、私が世界移動をするために使う魔術、<万理断章(カーツア・アーク)>の中で解いてある。

 それにしても、無理矢理世界移動をするだけではなく、その余波に次から次へと無関係の人間を巻き込んでいくのだから、『彼』という人間は、本当にもう。
 今回、自分の意思とは関係なくアヴァロンにやって来てしまい、あと少し遅かったら人間としての死を迎えることになっていたミカという少女も、『彼』の被害者の一人だし……。

 結局、次善策として六回目の『蒼き惑星(ラズライト)』に移動させたけれど、あれで本当によかったのだろうか。彼女は、あの世界で幸せに暮らせているだろうか。

 その疑問を解消すべく、目を瞑り、第八階層世界に存在する『アーカーシャー』へと意識を向ける。もちろん第七階層存在である私単独の力ではアクセスできないから、先に第八階層存在になったかつての同僚、エリスフェールに力を借りないといけないけれど。

「……よかった」

 どうやら、あれからミカは六回目の蒼き惑星で『自分の居場所』と『かけがえのない人間』を手に入れることができたようだった。
 その一人――ジン・カーベルクに至っては、彼女を元の世界に戻すべく、<万理断章(カーツア・アーク)>を組み立てようと研究を始めたようだし。

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by ru-raa | 2010-12-15 17:53 | 創作:単発物

カジノでコインを稼いだら

 いま、あたし――ミーティア・ラン・ディ・スペリオルは大きな箱と対峙していた。
 ここ、ルアード大陸では『スロットマシン』と呼ばれている、大きな箱と。
 そして――

「…………。いざ!」

 かけ声ひとつ、投入口へと手持ちのコインを十枚、一気に滑り込ませる。
 さあ、果たしてこの勝負、勝つのは確固たる意志を持つあたしか、それとも、意志はおろか意思すら持たないただの機械か。
 やがて、リールの回転を止めるべく、あたしは三つあるボタンのうち、一つ目のそれに指を押し込ませていった――。




 ルアード大陸は、世界で唯一、魔道技術――魔術がまったく発達していない土地だ。
 代わりに用いられているのは、科学技術という、あたしたちにとっては限りなく未知の技術。
 しかし、そのメカニズムはまったく理解できなくても、使い方さえわかってしまえば、他の大陸から渡ってきた人間であっても使いこなせてしまうほどの汎用性を備えているのが、科学技術のすごいところで。

 となれば当然、リューシャー大陸からやってきたあたしたちにだって使えるわけで。や、もちろん最初は戸惑ったけどね。でも一般的な機械なら、そこそこ使えるようにはなっている。主に、生活に密着しているものや、娯楽に使うものだけではあるけれど。それでも……ああ、機械のことを『キカイ』なんて発音していた頃が懐かしい。

 ……さて、現実逃避はこのくらいでやめるとしよう。

「尽きたわね、路銀……」

 ルアード大陸の首都にて。
 茜色に染まった空を見上げ、あたしはポツリと呟いた。旅の仲間にしてあたしの親友でもある少女――ドローアもそれに倣う。

「尽きましたね、路銀。せめて、ここがリューシャー大陸であれば、まだどうにかしようはあったのですが……」

「なあなあ、そんなことより今日はどこに泊まるんだ? 夕飯、なに食う?」

 能天気かつ考えなしな発言をかましてくれたのは、ドローア同様、あたしの旅仲間である青年。その名をアスロックという。

「おい、アスロック。もうちょい悲観しろ。さっきから言ってるだろ、路銀が尽きたって。つまり、逆立ちしたって今日は宿には泊まれないんだ。当然、メシも食えない」

 嘆息混じりに突っ込みを入れるのは、アスロックの幼なじみ兼彼の親友であるファルカス。一応、いまはあたしの旅仲間でもある。
 アスロックは親友が発した言葉を冗談とでも解釈したのか、

「またまたそんなこと言って。お前はちょっと悲観しすぎだぞ~」

 や、違うから。あんたが楽観視しすぎているだけだから。
 なにかを口にしかけ、しかし、いまのアスロックにはなにを言っても無駄と判断したのか、結局なにも言わずに口を閉じるファルカス。彼が次に視線を向けたのは、このメンバーの中ではもっとも頼りになる女性――ファルカスのパートナーであるサーラだった。

「……とりあえず、仕事を探そっか。選り好みはあまりせずに、場合によっては長期間拘束される可能性も覚悟しないとね」

 苦笑して、そう提案するサーラ。まあ、それが一番現実的な解決策か、やっぱり。
 でも、長期間の拘束は、できることなら受けたくないなぁ。すぐに別の大陸に行くつもりでいたのだし、短期の仕事があるのなら、やっぱりそっちのほうがいい。例えば、モンスター退治とか、盗賊退治とか、あるいは、この町から別の町へ行こうとしている人の護衛とか。
 あ、でも別大陸に渡る人の護衛だけは絶対に受けたくない。他人の操る船を追うのって、すごく難しいから。

「なあ、じゃあ今日の夕飯はどうするんだ? 保存食も切れてた気がするんだけど……」

 若干、蒼ざめた顔でアスロックが問うてくる。もちろん保存食は切れている。となれば、ファルカスの言ったとおり、今日の夕飯は食べられない。まあ、人間、一食くらい抜いても死にはしないだろう。幸い、ここでなら水はタダで手に入るし。

 アスロックにそう告げようとした瞬間、「仕方ありませんね……」とドローアが懐に手をやった。そこから出てきたのは小さな皮袋。チャリンと小さく金属がこすれる音が響く。

「私がこっそり貯めていたお金です。夕食と明日の朝食が出る宿屋に一晩なら泊まれるくらいの額があります。とりあえず、今日はこれで宿に泊まりましょう。夕食をとったら、各自、仕事を探しに出るということで」

「えらい、ドローア!」

 さすがあたしの親友! 頼りになる!
 見ればアスロックは目をキラキラと輝かせ、サーラもサーラでホッと安堵の息をついていた。
 そしてファルカスは、

「……ふむ。なあドローア、ちょっといいか?」

「はい。なんでしょう、ファルカスさん」

「まず、時間は有限だ。そして人生は意外と短い。それはわかるな?」

「はい? え、ええ、まあ……」

「で、だな。オレは思うんだ。短い時間で金をたんまり稼げるならそれに越したことはない、と」

「まあ、それはそうですね……」

 また胡散臭いこと言ってるな~、みたいな目でファルカスを見るドローア。しかし彼はそんな視線など気にした風もなく続ける。

「だろう。そしてオレは以前ここに来たとき、たんまり稼げる場所を見つけた。まあ、あのときは色々とゴタゴタしていて、とても寄っていられなかったんだけどな」

「えっと、裏組織的ななにかでしょうか?」

「…………。まあ、表か裏かと言われれば、裏であることは否定しない。だが、その金をオレに預けてもらえれば……約束しよう。十倍――いや、百倍にして返すと」

「お断りします」

「即答っ!?」

「…………。言いたいことはいくつかありますが、とりあえずひとつだけ。あまりミーティアさまを裏側の世界に連れ込まないでください」

「いや、ミーティアを連れて行くとは一言も言ってないんだけどな、オレ」

「あなたにその意思がなくとも、ミーティアさまは絶対についていってしまわれるでしょうから。それに百倍にして返すってなんですか。ギャンブル的な臭いがプンプンします。悪い予感しか覚えません」

「まあ、ぶっちゃけギャンブルだからな」

「そんなところに行くお金を私に出せと? いえ、もちろん普段なら多少は多めに見ますが、いまこのとき、わずかばかりのお金をすべて預けるとでも?」

「や、そこはほら。信じろって、オレの強運を」

「かなりの強運をお持ちであることは認めますけどね。でも、それとこれとは別問題です」

「相変わらず、頭の固い奴だなぁ……。なあ? サーラ」

「ドローアちゃんの言ってることのほうが正しいと、わたしは思うよ?」

「酷い裏切りだな、おい!」

 ファルカス、四面楚歌。
 しかし、それでも彼は諦めなかった。ある意味では、アスロックと同じくらいバカだ、こいつ。

「だったら……だったら、宿代とメシ代を抜いて残った額でいい! それをオレにくれ! いや、貸してくれ!」

「むむぅ……」

 おおっ! ドローアが揺れている! 時間をかけずにお金を稼ぎたいという思いは、ここにいる皆が持っているもの。である以上、ドローアが揺れるのは当然といえばそうなのかもしれない。
 しかし、『楽して稼ぎたい』という思いのみが共通しているあたしたちって、もしかしなくても、なかなかに駄目人間なんじゃあ……。

「……わかりました。じゃあ、宿をとったあとに残ったお金を渡すとします」

 やがて、ドローアが渋々うなずいた。対するファルカスは喜色満面。

「サンキュー! しっかり百倍にして返してやるからな!」

「あ、それは別に期待していません。そもそも、楽して稼ごうなんて考え方自体、間違ってるんですし。貸したお金は、落としてしまったものとしておきますよ」

 なんともバッサリやられたなぁ、ファルカス。……まあ、それはそれとして、とりあえずあたしはファルカスについていこうっと。一体どこに行くつもりなのかな~。わくわく。

「稼げるかどうかは別として。ファルカスさん、一体どこに行かれるおつもりですか?」

 あたしが行く気満々なのは、ドローアにはお見通しなのだろう。彼女は心配そうにファルカスに問いかける。
 ファルカスは、短く、一言だけでそれに返した。

「――カジノだ」

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by ru-raa | 2010-11-30 18:07 | 創作:単発物

永遠の証明(後編)

 蒼き惑星(ラズライト)暦1902年、火の月。
 その二人の女魔道士も、入ってきてすぐカウンター席に腰を下ろした。

「結局、永遠っていうのは変化をもってしか証明できないのね」

 もっとも、すでに結論を出し終えているあたり、ミカたちとの話を望んでの来店ではないようだが。

 ぽつりと呟いたのは見慣れないタイプの魔道士用の黒いローブに身を包み、紫色の宝石がはめ込まれているペンダントを首から下げている、長いオレンジ色のポニーテールが目に鮮やかな十六歳の少女だった。まあ、童顔であるため見た目はとても十六歳には見えなかったが、それはそれ。
 地につかんばかりに長い黒のマントをたなびかせ、彼女はイスに腰かける。

「人間の肉体を形作っているのは、無数の細胞。それは半年から一年ほどで完全に入れ替わる」

 ともすれば独り言とも取られかねない口調だが、隣に座った二十歳くらいの女性がそれに応える。

「つまり、一年前の自分と現在の自分はまったくの別人、となるわけですね」

 輝かんばかりの長く、白い髪。それとあまりにも対照的な、魔道士の少女のローブとは明らかに異なる黒さを有した、ドレスのような服。露出は肩のみで過度なところはまったくなく、そのデザインは女性の上品さを表していた。

「けれど、私の精神は変わることなく在り続ける。少なくとも、肉体が滅ぶまでは、永遠に」

 白髪の女性の名はシルフィリア・アーティカルタ・フェルトマリア。
 オレンジ色の髪をポニーテールにした少女はミーティア・ラン・ディ・スペリオル。
 片やフェルトマリア家の現当主であり、片や今年の初めに共和国として再出発することになったスペリオル聖王国の第二王女。

「そして、この肉体が滅んでも、完全に消滅することはない。あたしたちは肉体を持たずに生きる存在――精神生命体と呼べる存在を知っている」

 それは主に神族や魔族と呼ばれる存在。まあ、出会ったことのある人間は少ないだろうが。

「もっとも、だからといって肉体が不要、とまでは思いませんけどね。やはり肉体を持って生まれた者は肉体に依(よ)って生きていくのが一番です」

「いや、だからシルフィリア様。それは生活していくためにだけ必要な、物質界においてのみの結論でしょ? あたしが求めているのはそれ以上の――こう、理論としての結論なんだって」

「いくら理論を完成させることができても、実生活でなんら役立たないのでは意味がないと思うのですが」

「それはそうなのかもしれないけど……。とにかく、重要なのは肉体に死が訪れても、精神はそのまま残るということなの! もっと単純に言えば、死は永遠を否定しないっていうことなの!」

「死が人生の終着点ではない、ということですか」

「そう! そういうこと!」

「しかし、それをレポートにまとめたとしても、そう簡単には受け入れられないでしょうね。そもそも、人間が死を迎えた先、精神生命体となって活動を続けるための具体的な方法が提示できていないのですから」

「あう! シルフィリア様、痛いところを……!」

 ミカとジンの前で繰り広げられる、なんとも魔道的に高度な会話。

「でも、これくらいの難題を証明できないようじゃ、Aランク魔道士を名乗る資格はないってものよ!」

 それを聞いたジンがミーティアのほうに身を乗り出す。

「Aランクなんですか!?」

「え? うん、まあ一応。あ、名前はミーティアよ。ミーティア・パイル・ユニオン」

 先回りして偽名を名乗っておくミーティア。
 それから二人は揃ってオレンジジュースをミカに頼む。

「……では、ちょっと別の方向から永遠という概念を定義してみましょうか?」

 オレンジジュースが出てくるのを待ってから、シルフィリアがそう提案した。

「そんなことができるの!? ぜひぜひ! 魔道士とは違う切り口をぜひ聞かせて!」

「あ、俺からもお願いします! 永遠そのものに興味があるわけじゃないけど、『時間』の概念に関することには興味があるので!」

 オレンジジュースを一口飲んでから、「そうですね」とシルフィリアは始める。

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by ru-raa | 2009-11-25 21:16 | 創作:単発物

永遠の証明(前編)

 一番最初に目に飛び込んできたのは、果ての見えない綺麗な青空だった。

「――ここは……?」

 ポツリと呟いたのは、腰まである栗色の髪を柔らかい風に揺らしている、ひとりの少女。歳の頃は十六といったところだろうか。
 と、呆然と立ち尽くす少女の背後から、聞き慣れない声がした。

「あら? あなたは――」

 誰だろう、と彼女は振り返る。
 そこには、ピッチリとしたノースリーブの服とタイトなミニスカートに身を包んだ、十七歳くらいの少女の姿があった。顔立ちは可愛いと美人、どちらの形容詞も当てはまる感じだ。
 服には身体のラインが出ているため、彼女のスタイルの良さが一目でわかった。基調としている色は黒。それが彼女の白い肌をより引き立てている。

 ポニーテールにした金髪を揺らして、彼女はわずかに首を傾げる。しかしすぐに合点がいったのか、両手をポンと合わせ、人間ならば持ち得ない赤色の瞳を優しげに細めてみせた。

「どうやら、物質界から来たお客様のようね」

 そして大きく両手を広げ、

「ようこそ、アヴァロンへ。見てのとおり空に浮かぶ小さな島でしかないけれど、得るものは多いと思うわ」

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by ru-raa | 2009-11-25 20:57 | 創作:単発物

『本質の柱』を求める者

 ――『生命あるもの』の幸福は、究極のところ、その生の中にしかない。


 唐突に。
 野宿の準備を終えた僕は、『彼』のその言葉を思い出していた。




 『本質の柱』というものがある。
 それは、いまから数百年ほど前には『存在していないのならば、人間はおろか、世界そのものも生まれてはいないはず』という仮説によってしか存在を認められていなかった蜃気楼のようなもの。『彼』の先祖にあたる『とある人間』が、その柱に触れ、それが実在することを証明でき、またそこから多くの知識を――真理とも呼ぶべき物事の本質を手に入れ、理解できたからこそ、現在、こうして『ある』と断定されているもの。

 もっとも、辿りつけた人間がいたからといって、現在、誰もが『本質の柱』に触れられるわけではない。というか、『彼』の先祖以外、それに触れられる者は誰一人存在してはいなかった。その事実はつまり、『彼』の先祖が、その一族がとても優秀だったという証で。

 僕はその『本質の柱』に触れたかった。それは、僕の住んでいたドルラシア大陸では野蛮と謗られている黒魔術を学ぶことすら躊躇しなかったほどに強い思い。
 あるいは、それを求めずにはいられないほどに、僕はこの世界に絶望していたのかもしれない。よくはわからないけど、かつての僕はやっぱり、『本質の柱』に触れられればいいというわけではなく、そこから得られる知識によって、希望なんて微塵もないこの世界を変えたいと、力ずくででも変えてやりたいと思っていたから。本当は、自分を変える以外の方法なんて、少なくとも僕の場合は、なかったというのに。

 ドルラシア大陸から南下し、エルフィー大陸を経由して。僕はリューシャー大陸にある国のひとつ、フロート公国の首都へと向かった。エルフィー大陸に住んでいたラルクという名のダークエルフの青年から、『本質の柱』から得た知識を代々受け継いでいる一族が住んでいると教えてもらえたからだ。

 そして、僕は『彼』と出会った。

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by ru-raa | 2008-12-17 18:00 | 創作:単発物

ひざまくら

 学校の裏庭にある、三人がけくらいの大きさをしている木製ベンチに腰かけて。
 意識しないうちにわたしは、自分の膝の上に目線をやったまま表情を綻ばせていた。

 膝の上には、わたしと同じくこの高校の2年生であることを示す徽章を、制服の胸ポケットのあたりにつけた男子生徒の頭がある。
 そう。昔、とある事情からわたしの家で一緒に暮らすことになった男の子――ノブの頭が。
 不意に吹き始めた風にセミロングの髪を遊ばせながら、仰向けになっている彼の顔を穏やかな表情で眺め続ける。

 ふりそそぐ、暖かな日差し。
 そよ風が連れてくる、気持ちのいい緑の匂い。
 このまま時間が止まってしまえばいいのに、とさえ思う。それほどまでに、安らぎに満ちた時間。

 普段はしかめっ面をしていることが多いノブだけれど、眠っているときだけは子供のように無邪気で無防備な表情になる。それだけ彼は普段、気を張っているのだろう。家族――わたしのお母さんとわたし以外には、本当の意味で心を許すことができないようだから。

 それなら、わたしはせめて、いつも隣にいて――…………

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by ru-raa | 2008-10-18 17:28 | 創作:単発物

ファミレス『満員御礼』~迷探偵アイドル 解答編~

 昔から、推理ドラマが嫌いだった。
 だって、そこには私の望む『真相』がいつだって存在していなかったから。

 どうして皆、人が死んだ瞬間に『犯人』を捜そうとするのだろう。
 どうして皆、『犯人』がいないと満足できないのだろう。
 どうして皆、『殺人』を求めるのだろう。

 わかってる。それがないと『つまらない』からだ。

 でも。

 それでも、私は――。

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by ru-raa | 2008-04-22 18:38 | 創作:単発物

ファミレス『満員御礼』~迷探偵アイドル 問題編~

 それは、とある金曜日の夕暮れどきのこと。

「副店長ぉ~。ふと思ったんですけど、店長と副店長の出会いって、一体どんなものだったんですかぁ~?」

 私のバイト先、ファミリーレストラン『満員御礼』の休憩室にあるテーブルにだら~んと突っ伏しながら、私はそう副店長に問いかけた。

「なんだ? また唐突に」

 怪訝そうな――を通り越した、どこか呆れたような表情で返してくる副店長。いや、訊いているのは私のほうなんですけど。

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by ru-raa | 2008-04-15 17:54 | 創作:単発物